(1)ソニーの想定為替レート
ソニーの想定為替レートについて、平成24年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)に記載されています。
株価や業績を考えるうえで、輸出企業は、前提となる外国為替レートが重要ですので、見てみましょう。
- 為替レート 1ドル80円前後
- 為替レート 1ユーロ105円前後
ソニーは、決算短信で、年間の前提為替レートを上記のように考えているようです。
現在の為替レートを見てみましょう。
(2)為替レートは円安に
現在の為替レート
主要な為替レートについて、2012年12月30日時点の一覧は、上記の通りです。
ソニーは、前提為替レートについて、ドルとユーロについて、決算短信で言及していますので、抜き出します。
- 為替レート 1ドル85円96銭
- 為替レート 1ユーロ113円59銭
為替レートの水準について、ドル円、ユーロ円相場を、最も安かった水準と比較してみましょう。
(3)為替レート2012年 円高値
- 2012年6月1日 ニューヨーク外国為替市場で1ドル 77円66銭
- 2012年7月23日 オセアニア外国為替市場で1ユーロ 94円89銭
為替レートが2012年で最も円高であった日と、価格については、上記の通りです。ドル円の為替レートは、70円台が、11月に政権交代が予想されるまでの水準でした。
為替レートの状況と、ソニーとパナソニックについては、上記でまとめています。円安予想は、安倍氏の発言と政権交代期待から、市場関係者は円安に向けて動いた事が分かります。
では、ソニーが為替円安で受ける影響について、簡単に計算してみましょう。
(4)為替円安の影響と海外売上比率
為替レート ドル円
- 為替レート想定 ドル円 80円
- 為替レート現在 ドル円 85円96銭
為替レート現在を為替レート想定でわると、7.5%の円安になったことが分かります。
為替レート ユーロ円
- 為替レート想定 ユーロ円 105円
- 為替レート現在 ユーロ円 113円59銭
為替レート現在を為替レート現在でわると、8.2%の円安であることが分かります。
ソニー海外売上比率
ソニーの海外売上比率を平成24年3月期の決算短信から抜き出しました。
- 2011年度 売上高比率 日本32.4%
- 2011年度 売上高比率 米国18.7%
- 2011年度 売上高比率 欧州19.5%
為替の影響を考えると、ソニーの業績が海外売上比率68.6%(2011年度)ということは、為替の変動を受けやすいと言えます。
ソニーは、米国や欧州以外の地域での、取引通貨は平成24年3月期の決算短信からは、分かりません。
そこで、海外売上高は、米国と欧州の売上高がほぼ変わらないため、米ドルとユーロを半分ずつの割合で換算します。
(6)ソニー円安の影響
取引相場とドル円ユーロ円の前提
外国為替について、ここまで細かく見ていきましたが、ソニー円安の影響について見たいと思います。前提として、以下とします。
- ソニー売上高予想は7兆4千億円
- ソニー海外売上高は68.6%
- 取引通貨は米ドルとユーロ50%ずつ
- 米ドルは7.5%円安
- ユーロは8.2%円安
為替相場について、上記を前提にして計算したのが下記です。
為替相場変動の影響
- 米ドル 1904億円=(1)7兆4千億円×(2)68.6%×(3)50%×(4)7.5%
- ユーロ 2081億円=(1)7兆4千億円×(2)68.6%×(3)50%×(5)8.2%
為替相場変動の影響は、ソニーは年間で約4000億円の計算になります。
(7)円安による増益は来期に期待か
ただし、為替予約を輸出企業は行っていることが想定されますので、今期の業績に、影響は限定的であるという見方も当然できます。
ソニーの外貨建資産は、円安による評価上ぶれの期待がありますので、業績発表に注目したいと思います。為替相場が円安の影響は、ソニーの業績にとって、よい影響をあたえるでしょう。
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