地元自治体の首長から雇用確保の要望
2012年12月22日の岐阜新聞で以下のように報道されている。ソニーの子会社「ソニーイーエムシーエス」の美濃加茂サイト(美濃加茂市)が来年3月末で閉鎖される問題で、古田肇知事は21日、東京都港区のソニー本社で同社の加藤優最高財務責任者(CFO)らと面談し、従業員の雇用の継続・確保のほか、地域の雇用確保や活性化につながるような跡地利用を要望した。
面談には冨田成輝可児市長らも同席。ソニーイーエムシーエスにも同様の要望をした。岐阜県知事と地元市長から要望があったのは、ソニーの子会社、ソニーイーエムシーエスの撤退についてのようだ。跡地の利用となっているが、ソニーは、土地を保有したままになるのであろうか。
管理人は、いまいち、地元首長からの要望というものの効力が分かっていない。あくまで私見であるが、本当に要望を出した所で効果があるのかどうか、いつも疑問だ。もちろん、雇用問題が切実である点は間違いない。
ソニー子会社 イーシーエムシーエスの概要
今回、名前のあがっている、ソニー子会社の概要について見てみよう。細かく見ると、ソニーのリストラの影響は契約社員にも大きくでていることが分かる。ソニーイーエムシーエス株式会社 美濃加茂サイトは、1980年にソニー美濃加茂株式会社(ソニー100%出資)として設立されました。
ソニーのビデオ製造における基幹事業所として、岐阜県で初めてのソニーグループの工場です。
当初はビデオやテレビ内部の実装基板の生産が中心でしたが、後にビデオやプレイステーションの組み立てを経て、現在はデジタル一眼カメラ用交換レンズ、携帯電話などを生産しています。ソニーイエムシーエス、美濃加茂サイトの歴史を見ると、1980年から設立されており、岐阜県内の雇用の貴重な存在であることが分かる。それを考えると、岐阜県知事が雇用問題を懸念するのも当然かもしれない。
下請企業への影響
- 下請けは7社
- 社員は計1457人
- 契約社員はそのうち、1362人(外国人は677人)
さて、雇用への影響を見て見ると、そのほとんどは、契約社員であり、外国人が非常に多いことが分かる。地元首長にとって、雇用問題が切実な問題となることは、この数字を見ると実感できるのではないだろうか。
ソニー格付の格下げ
問題は、生産品目がデジタルカメラや携帯電話など、世界的な価格競争が激しい分野である事であろう。ソニーの格付は投機的水準に引き下げられており、事業の選択と集中を進めたのであろう。格下げの理由について、ムーディーズは「デジタルAV製品市場の需要低下が急速に進み、ソニーの収益基盤の縮小が想定以上に早く進む可能性がある」と指摘。
「テレビや携帯電話事業の営業赤字やゲーム事業の収益低下が続くことで、同社全体の収益は引き続き低迷する」との見方を示した。ムーディーズの評価を見ると、ソニーの主力事業である、AV製品市場の競争の激しさが見て取れる。美濃加茂サイトが関わる、携帯電話事業についても、名指しされている。
ソニー子会社のリストラについて、岐阜県知事が雇用確保について要請しているが、市場の厳しさを見ると、他社にも同様の問題が広がりそうだ。ソニー岐阜工場社員リストラの人数を見ると、1000人超がリストラされるようですが跡地の利用は決まっておらず、推計人口と比較すると地域経済への影響は大きそうですね。 スポンサードリンク
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