ソニー オリンパスの合弁会社設立の準備状況
ソニーがオリンパスとの合弁事業の状況について、自社のホームページで発表している。新会社の人事の発表と共に、合弁会社設立に遅れが出ていることが記載されている。ソニーは、CBの資金使途について、1500億円のうち、一部がオリンパスへの出資資金がある事を説明している。
- 長崎のCMOSイメージセンサーの生産能力増強の設備投資に600億円
- オリンパスに出資する500億円の原資に一部
- 社債(350億円)の償還原資としても300億円
さて、ソニーが発表した社名と人事、出資割合と、合弁会社設立が遅れた理由について見て見よう。
ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ
- 社名:ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社
- 代表取締役社長: 勝本 徹(ソニー 業務執行役員SVP)
- 代表取締役副社長: 深谷 孝(オリンパスメディカルシステムズ㈱ 第一開発本部長付)
新会社設立の予定と遅れた理由
平成24年12月末に間に合わず
新会社の設立時期は、平成24年9月28日付適時開示「オリンパスとソニーの業務提携及び資本提携合意に関するお知らせ」において、日本およびその他各国の政府当局または監督官庁の必要な承認を取得したうえで、平成24年12月末までの設立を目指す旨お知らせしましたが、一部の国での審査が当初の想定より時間を要しており、新会社の設立は平成25年1月以降になる見込みです。ソニーは新会社の出資比率は、ソニー51%、オリンパス49%で主導権を持って会社運営を行うことを既に表明している。今回、一部の国での審査が当初の想定より時間を要しているためと説明している。
平成25年4月1日までに新会社の設立
現時点では、政府当局または監督官庁の必要な承認を得たうえで、平成25年4月1日までに新会社を設立できると見込んでいます。新会社の設立について、ソニーは、平成25年4月1日にまでに新会社を設立できる見込みであると、発表している。つまり、平成24年度決算の期末は平成25年3月31日であるので、それまでには間に合うと見込んでいるようだ。
新会社が行う事業
ソニー・オリンパスメディカルソリューションズの事業について、ロイター(2012年12月21日)は、下記のように報じている。新会社はソニー51%、オリンパス49%出資で、ソニーの連結子会社になる。ソニーの画像技術を使って、外科手術に使う新型の内視鏡や手術室でのモニターなどを開発する。(ロイター)医療分野は、先進国の医療の高度化と先進国の高齢化により、成長が見込める分野である。ソニーとオリンパスの新会社設立の遅れは、痛手だ。
格付格下げ 資金調達は以前より困難
特に、転換社債を発行しており、限られた期間内で株価が上昇しなければ、転換社債償還の為の資金が流出する事になる。ソニーは調達した転換社債1500億円のうち、ほとんどを設備投資・オリンパスへの出資金・社債の償還に使うと表明している。そのため、転換社債が償還した際に資金調達が必要となるが、ソニー格付は投機的水準に格下げされており、市場からの資金調達は容易ではない。
ソニーとオリンパス提携事業の遅れは、成長市場であることによる機会損失や、転換社債で資金調達した調達コストを考えると、金融戦略の面でも痛手になりそうだ。
ソニー オリンパス合併会社延期の理由を見ると、中国の合併審査の遅れにより、再延期になっており、事業開始のさらなる遅れが、投資効率の悪化に繋がることが分かりますね。 スポンサードリンク
0 件のコメント:
コメントを投稿