意思決定の迅速化が目的
▲ソニー、海外に部品調達機能を一部移管 電機大手でコスト削減加速か2012年12月13日 09時37分
ソニーは12日、タイや中国などアジアの拠点で使用する部品の調達機能の一部を、2013年1月までに日本の本社から現地に移管する方針を明らかにした。購買先を選定する権限を移すことで、海外での部品調達の拡大やスピードアップにつなげる。ソニーが調達権限を、海外に移管することを発表した。目的は意思決定のスピードを向上することのようだ。
本社の調達機能をアジア4拠点に移管
ソニーでは、部品調達に関する戦略立案を本社の調達本部が担ってきたが、このうち購買先を選ぶ機能をアジアの4拠点に移し、新たな調達先の開拓や取引先との関係強化を通じてコスト削減を図る。ソニーは、本社権限の権限委譲をアジアの拠点単位に移す事を決定したようだ。アジアに分散する拠点に権限委譲を行う事で、各拠点がよりより調達先を見つけることや、取引先との情報間による関係強化を行う事が目的のようだ。
タイ 中国 マレーシアで権限移管
具体的には、デジタルカメラなどを生産するタイの工場に13年1月に機能を移管する。デジカメなどを手掛ける中国の2拠点と、テレビの組み立てなどを行うマレーシアの工場には10月までに移管を終えた。これに伴って計50人程度を現地に異動させ、本社のスリム化も進める。ソニーが調達権限を移管する工場をまとめると、下記のようになる。
- 2013年1月 タイ工場 デジタルカメラ
- 2012年10月 中国工場 デジカメ2拠点
- 2012年10月 マレーシア工場 テレビ組立
ソニーの調達先効率化
ソニーは09年に調達本部を設置し、08年に2500社程度あった調達先を1300社に絞り込み、10年には1000社程度に削減するなど調達の効率化に取り組んできた。ソニーは、2009年に本社に調達本部を設置してから、調達先の選定を進めている。
- 2008年 2500社
- 2009年 1300社
- 2010年 1000社
パナソニック、日立、東芝も権限委譲
電機大手では、パナソニックが部品や原材料の調達機能を12年4月に本社からシンガポールに移転。日立製作所も4月に中国・アジアでの調達統括機能を北京に移した。東芝は12年度の海外での調達比率を前年度比6ポイント増の70%に高める計画だ。ソニー以外の電機大手各社も、調達機能の海外移管を進めているようだ。
ソニーは米本社ビルの売却やグループ会社のソニー生命のフィリピン子会社の売却を進めており、資産売却以外に組織再編で競争力を狙う事も目的のようだ。
ソニーの組織再編は、調達先の選定が一段落したため、意思決定の迅速化と新規取引先の開拓を目的としたものだ。ソニーが海外調達と本社権限移管の拡大を発表したが、コスト削減による業績回復に繋がるのか注目したい。 スポンサードリンク
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