シャープ ソニー パナソニックの赤字
電機業界の大手3社の業績悪化が注目されており、ご存知の方も多いであろう。このブログでは、ソニーを中心に取り上げているが、シャープやパナソニックも業績悪化が著しい。パナソニックは、中間決算大幅赤字となり、経営再建とリストラを急ピッチで進めている。それ以上に、業績不振が深刻なのがシャープだ。シャープは、中間決算赤字で倒産危機であることが囁かれている。なぜ、これほど巨額の赤字が膨らんだのかについて、会計的な要因を見てみよう。
巨額の損失の原因
11月1日の産経新聞を見てみよう。1日に決算発表したシャープ、ソニーや、10月31日に決算発表したパナソニックが大幅な最終赤字を計上した原因となったのが固定資産の減損だ。企業が資産の含み損を先送りできないようにするため、日本の会計基準で平成17年度(18年3月期)に減損会計が強制適用された。(産経新聞)最終赤字の原因として、減損会計が原因であると触れられている。企業が含み損を先送りできないようにするための制度であると触れられている。その内容について見てみよう。
投資に見合った収益が得られるのか
減損処理をするかどうかは、資産の簿価と将来見込めるキャッシュフロー(CF、売り上げ)合計額とを比較することで判定する。
簿価が1千億円の工場のケースでは、将来見込めるCF合計額が1千億円を下回ると、投資回収は困難と判断される。この場合、工場は含み損を抱えていることになり、減損損失を計上しなければならない。簡単に言えば、企業が投資した金額に見合っただけの収益を、得られるのかどうかがポイントということだ。テレビ事業を中心に、デジタル家電は価格競争が激しく製品価格が急速に値下がりしているうえに、ライバル企業が多い。
そのため、投資に見合った金額を回収できる見込みが立たず、 減損損失を計上。業績が悪化したということである。ソニーは既に、格下げにより倒産危機の格付であるが、大手格付け会社フィッチの説明と上記については整合性がある。
株式投資や業績を見るときのポイント
キャッシュフローの合計額、または工場の売却可能額と、簿価との差額を損失処理することになる。ポイントとなるのは、簿価との差額を損失処理する点だ。上記の例であるように、1000億円を投資した工場の場合、減損損失の計上を最大で1000億円となる。言い換えれば、余程、甘い業績見通しでない限り連続して減損損失を計上する事は、考えにくい。
ソニーの株価は円安により上昇する、代表的な輸出銘柄だ。直近の円安で、ソニー株などに投資を考えている方は、減損会計の概念について簡単に理解したうえで検討するのがよいかもしれない。ソニー エレクトロニクス事業赤字の理由(3)を見ると、資産売却とリストラにより決算は黒字化を達成しそうですね。 スポンサードリンク
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