経営再建中のソニーであるが、ソニー電池事業売却の企業名にホンハイが浮上していることが、ロイター通信によって報じられていた。続報として、2012年12月22日の日経新聞が、ソニーが電池事業の売却交渉を行っていると報道されている。その内容について見てみよう。
政府系ファンドと電池事業の売却交渉
ソニー 事業の選択と集中を進める
ソニーが政府系ファンドの産業革新機構と電池事業の売却交渉に入ったことが21日分かった。ソニーの電池事業を巡っては、EMS(電子機器の受託製造サービス)最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業なども関心を示している。ソニーは韓国勢との競争が厳しい同事業を切り離して事業の選択と集中を進める。(日経新聞)政府系ファンドが、ソニーの電池事業の売却交渉に入ったようだ。電池事業の売却企業にホンハイの名前が浮上していたが、製造業の中でも高度な技術が必要なものについては、保護するという政治的な判断であろうか。
産業革新機構 買収金額を提示
産業革新機構が同日までにソニー側に買収金額を提示した。金額は明らかになっていない。(日経新聞)産業革新機構は、ソニーに買収金額を既に提示したようだ。ファンドに売却するのであれば、スピンアウトのような形で、新しい会社を設立する形になるのか気になるところだ。
仮にそうだとすれば、経営再建後に、会社を売却するか上場を目指すという、イグジットを目指すことになるのであろうか。
電池事業の概要
売上高1425億円 従業員数約2700人
ソニーの電池事業は携帯電話やパソコンなどに広く使われるリチリウムイオンなどが主力。2012年3月期の売上高は約1425億円だった。今年9月の従業員数は約2700人。同社は電池事業を完全に切り離す案のほか、持ち分を一部残す案なども検討している。(日経新聞)ソニーの電池事業であるが、売上高と従業員数を見ると、大企業と言える巨大な企業だ。内容を見ると、持分を一部残す案も検討されており、分社化後にソニーの一部出資を残す事があるのではないだろうか。
世界シェア6.9%に大きく下落
調査会社のテクノ・システム・リサーチ(東京・千代田)によると、ソニーの12年4~6月期のリチウムイオン電池の世界シェアは6.9%で世界4位。ウォン安で攻勢をかける最大手のサムスンSDIなど韓国勢との競争が激しく苦戦しているが、ソニーは1991年に世界で初めてリチウムイオン電池の実用化に成功するなど高い技術力を持つ。(日経新聞)ソニーは円高により、韓国勢との世界的な競争に電池事業でも敗北しつつあるようだ。ソニー株価予想は円安に期待感が生まれつつあるが、これは円高により価格競争の面で不利に立たされているからだ。
ブルームバーグは12月22日に、2008年1~3月期のシェアは15.4%であったと報じており、この4年間で世界シェアを大きく落としている事が分かる。
ソニーの電池事業は復活できるのか
上記の内容についてまとめると、下記のようになる。- 2008年1~3月期 シェアは15.4%
- 2012年4~6月期 シェアは6.9% 世界4位
- 2012年3月期 売上高 約1425億円
- 2012年9月 従業員数 約2700人
- 事業の完全売却と、一部出資を残す可能性がある
ソニーが、電池事業のリストラで政府系ファンドとも交渉していると報じられているが、ホンハイと交渉している事が既に報道されており、続報に注目かもしれない。ソニーNEC日産がリチウムイオン電池提携交渉を行っていますが、政府系ファンドが出資を検討しているようですね。 スポンサードリンク
0 件のコメント:
コメントを投稿