ソニーに出井氏に入れ知恵した学者
前回、ソニー出井改革の失敗(9)を見ましたが、ソニー経営悪化の原因となったら理論に、御用学者がいたことを2012年10月5日の日本経済新聞が報じています。だがソニーの元社外取締役で出井改革の理論的支柱とされた経済学者の中谷巌(70)は今、反省を込めてこれらの改革を「合理的な失敗」と呼ぶ。ソニー社内からヒット商品が生まれなくなった理由は、御用学者の存在があったようですね。中谷氏は言い訳を述べています。
ソニーの合理的な失敗ではない理由と他社の成功事例
- GEの密造酒作りと呼ばれる、業務外の活動
- 3Mのポストイット
パナソニック問題点と御用記者でも触れましたが、家電メーカーに御用記者や御用学者の根は深く、学者は経営に向いていないということでしょう。
ソニーの中谷元取締役は合理的な失敗と呼んでいますが、単なる言い訳で、組織スラックという用語がある位、余剰資源は組織の成長に欠かせないものです。
成長に欠かせないイノベーションを潰す
例えば経営を監督と執行に分ける執行役員制度は理論的には正しい。だが監督役の取締役は「2ヶ月に1回集まって100億~200億円の投資の是非を1件につき15分で決めていた」(中谷)。EVAは、モノになるかどうか分からない技術を上司に隠れて温める開発現場の習慣を絶やしてしまった。ソニーは、中谷氏を理論的支柱として体制変更を行いましたが、イノベーションの芽を潰す結果に終わっています。
イノベーションを生み出す際に、直接の業務外の活動外が重要である事は有名な話ですが、ソニーと出井氏・中谷氏は目先の数字にとらわれたと言われても仕方がないですね。
平井社長がテレビ事業を直轄
「テレビ事業は俺が見る」。今春、新経営陣の役割分担を決める話し合いで最高経営責任者(CEO)就任が決まっている平井一夫(51)がそう言い出したとき、周囲はぎょっとした。執行役員制度で監督する側のCEOが個別事業を担当するのはおかしい。だがテレビ事業8期連続赤字という非常時に「そんなこと言ってる場合か」。それが平井の本音だろう。ソニーを縛る原因となった制度を、平井社長は非常事態であると判断したようですね。
- 平井社長ソニー再建(2)
- ソニー平井社長テレビリストラ(6)
テレビ事業の8期連続赤字は異常事態であり、今までのやり方がダメだということですね。ソニーの社長として平井社長が下した決断を、株主からも支持する声があるのではないでしょうか。
出井社長と平井社長の違い
14人抜きでソニー初のサラリーマン経営者になった出井は、創業世代と同じ求心力を持つため、常に「演出」と「改革」を必要とした。中谷はそれを「デコレーション(装飾)」と呼ぶ。4期連続の最終赤字というどん底でバトンを受けた平井に、取り繕っている暇はない。出井氏の派手な行動について、中谷氏はかばった表現をしていますが、現場を見ない・地に足のつかない経営だったと言い換えることができるのかもしれないですね。
ソニー不調の理由は御用学者の存在とEVAであり、平井社長は過去の制度にとらわれずに、テレビ事業の業績回復に本腰をいれるようですね。ソニー株価と提携戦略(11)に続く。 スポンサードリンク
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