▲ソニー生命ホームページより
ソニー生命の格付け
ソニーフィナンシャルホールホールディングスの100%子会社である、ソニー生命が、フィリピン子会社の売却を発表した。ソニーFGからすれば、孫会社にあたる。ソニー生命は格付け悪化が、最近発表された。強固な資本基盤と堅調な業績を有するソニー生命の信用力は、ソニーからある程度は切り離されているものの、ブランドを共有していることを考えると、最終親会社の継続的な信用力の悪化と全く無関係であるとはいえないとムーディーズは考えている。ムーディーズは、ソニー生命が、ソニーとブランドを共有している点を懸念材料として捉えている。では、今回のフィリピン子会社売却の理由について見てみよう。
フィリピン子会社を売却
ソニー生命が発表した平成24年12月6日のプレスリリースについて、見てみよう。
ソニー生命保険株式会社(社長:井原 勝美、以下 ソニー生命)は、100%子会社であるSony Life Insurance(Philippines) Corporation(社長:森山 嘉樹、以下 ソニーライフフィリピン)の事業のすべてをフィリピン共和国で保険事業を営むParamount Life & General Insurance Corporation(CEO:Patrick L. Go、以下 パラマウント社)へ譲渡することとし、あわせてソニーライフフィリピンの全株式を同社グループ会社であるUISC (Holdings) Ltd.(Director:Anthony C. T. Ma、以下 UISC 社)へ譲渡することといたしましたのでご報告します。ソニー生命のプレスリリースは上記の通りだ。4社登場するが、少し分かり難いので、整理する。
- ソニー生命保険株式会社
- ソニーライフフィリピン
- UISC社
- パラマウント社
UISC社とパラマウント社は、グループ会社の関係にある。少し、細かく見てみよう。
香港企業に売却、事業譲渡のスキーム
プレスリリースを細かく読むと書いてあるのであるが、上記で述べたとおり、UISC社はパラマウント社はグループ企業であるが、ここが少しややこしい。親会社のUISC社は、香港の投資企業。Patrick L. Go, Rosanna L. Go がそれぞれ50%ずつ株式を保有している。さらに、プレスリリースを見てみよう。
両氏は事業譲渡先であるパラマウント社の大株主であるParamount Life & General Holdings Corporation の株式をそれぞれ40%ずつ保有。簡単に言えば、UISC社とパラマウント社の違いについて見てみよう。
- UISC社は、両氏が所有する投資会社
- パラマウント社は、パラマウント社の大株主を通して影響力を持つ
ソニーライフフィリピン売却金額
プレスリリース内に、参考為替レートとして、1フィリピンペソ=2.03 円(2012 年11 月30 日の対顧客電信為替相場仲値)として提示されているので簡単に計算してみよう。
譲渡金額
10億フィリピンペソとなっており、1フィリピンペソ=2.03 円とすると、20億3000万円となる。譲渡にかかる費用等(税金・コンサルタント料など)
約1.26 億フィリピンペソとなっており、約2億5,578万円となる。ソニー生命のフィリピン子会社売却スキームを簡単に説明したが、売却先が少し面白い事が分かる。気になるのは、ソニーが上場子会社に対する戦略を変化させている事が、ソネットの完全子会社化で感じられる。ソニーホールディングスにも、何らかの変化あるのか注目かもしれない。 スポンサードリンク
0 件のコメント:
コメントを投稿