(1)ソニー損保と金融部門の業績
ソニーの業績を見ると、金融部門の利益割合は貢献が大きいことが分かります。ソニーの金融部門の一つにソニー損保がありますが、ネット損保は売上が伸び悩んでおり、ソニー損保の利益水準も低い水準にとどまっていることが分かります。(2)ネット損保の伸び悩み
ソニー損保評価とネット保険の業績比較について、2013年3月6日の日本経済新聞5面が報じているので見てみましょう。インターネットを中心に保険を販売するネット保険が伸び悩んでいる。新規契約の増加ペースが鈍っており、シェアは依然1ケタ台にとどまっている。広告費や保険金の支払いで赤字の会社も多く、収益改善が急務となっている。ソニー損保などネット保険は、コストが低く利益が出やすいという評価があると思いますが、業績を見るとかなり厳しいようですね。
ネット保険はソニー損保が業界首位ですが、ネット保険のシェアは1桁しかなく、ネット保険の評価は思ったよりも高くないことが分かります。
(3)ネット保険のビジネスモデルと動向
ネット保険はテレビや新聞で商品を宣伝し、ネットや電話、郵送で契約手続きするのが特徴だ。代理店や営業職員に手数料を支払う必要がないため、通常の保険会社より保険料を安く設定できる。1990年代後半から参入が相次ぎ、市場シェアを伸ばしてきた。ソニー損保など、ネット保険のビジネスモデルを見ると、人件費の節約により保険料を安くすることが評価されて、顧客獲得に繋がってきました。
(4)ネット損保の成長モデルに限界
ただ、ここにきてネット大手の保険料収入の伸びは前年比1ケタ台となり、東京海上日動火災保険など既存損保と大差がなくなってきている。収益面でもチューリッヒ、そんぽ24、イーデザインの損保3社とネクスティア生命保険の4社が昨年4~12月の決算で最終赤字だった。ソニー損保などネット損保は、安い保険料を売りにしてきましたが、既存の大手損保と成長率に大差がなくなっているようですね。
ソニー損保は黒字ですが、ネット損保の業績を見ると苦戦している企業が多く、利益も低い水準にとどまっている企業が多いことが分かります。
(5)ソニー損保が自動車保険の保険料を引き上げ
最大手のソニー損保や三井ダイレクト損保は収益改善のため、昨年自動車保険の保険料を引き上げた。ソニー損保はネット損保の最大手であり黒字ですが、自動車保険の保険料を引き上げています。ソニー損保に近い利益水準の三井ダイレクト損保も自動車保険の保険料を引き上げたということは、保険料は安いものの、ネット損保の業績が思ったよりも伸びていないのでしょう。
(6)直販型保険の12年4~12月期決算
保険料収入 最終損益
- ソニー損保 629億円(6.0) 5億円(5)
- アメリカンホーム 482億円(5.3) 非開示(12年3月期は59億円の赤字)
- チューリッヒ 299億円(9.0) ▲29億円(▲32)
- 三井ダイレクト損保 257億円(2.8) 6億円(4)
- アクサ損保 228億円(8.5) 23億円(10)
- SBI損保 144億円(42.8) 非開示(12年3月期は54億円の赤字)
- そんぽ24 97億円(10.3) ▲0億円(▲6)
- イーデザイン損保 72億円(118.3) ▲27億円(▲20)
- ライフネット生命 42億円(64.4) 1億円(▲5)
- ネクスティア生命 14億円(36.8) ▲12億円(▲9)
ネット損保の苦戦とソニー損保
直販型保険の業績を見ると、ソニー損保は最大手であるものの、利益水準がそれほど高くないことが分かります。ソニー損保以外の他社と比較すると、ネット損保は最終損益が赤字や減益の会社も目立ちます。ネット損保は保険料が安いという評価がありますが業績は厳しいことが分かりますね。
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