ソニーの携帯電話事業は不振が続いていましたが、エクスペリア好調の理由を見ると組織再編の効果が大きかったようですね。ソニーはエリクソンと携帯電話事業を合弁で運営していましたが、株式の買収により完全子会社を行うことで、社内資源をより生かす組織体制が整ったようですね。
(1)ソニー携帯電話事業を完全子会社化
前回、
ソニー資産売却と買収一覧と会計戦略(4)について見ていきましたが、ソニーは米国会計基準を用いたことや為替レートの円高ドル安是正で黒字を計上しています。ソニーが一時的な利益に利益に頼らないためには商品開発が重要になりますが、携帯電話ヒットの理由について見てみましょう。
中でも重要なのがスマホだ。ソニーは昨年2月、スウェーデンのエリクソンとの合併を解消。モバイル事業を100%子会社のソニーモバイルへと衣替えした。これにより、テレビ、イメージセンサー、オーディオなどソニー本体のほかの事業部との連携が緊密となり、平面を強調した新しいデザインコンセプトのスマホ、エクスペリアZへ決実した。
ソニーは携帯電話事業を、エリクソンとの合弁会社から、株式を買い取ることで100%子会社化を行っています。
- ソニー・エリクソン ソニーとエリクソンの合弁会社
- ソニーモバイル 100%子会社
ソニーの携帯電話子会社の名前が変わっていることに気付いている方は、多いと思います。ソニーは、携帯電話事業の完全子会社化により、ソニーグループの持つ経営資源を隠すことなく、使えることができたようですね。
(2)ソニー・エリクソンの成長と不振
エクスぺリアのキーパーソンがUX商品企画部バイスプレジデントの黒柱吉郎だ。ソニー・エリクソン時代からスマホの商品企画を担当してきた。「ソニー・エリクソンは当初は組織が小さく、シェアを上げるという目標を誰もが共有していた。ところが組織が大きくなると、シェアを維持するのか、さらに伸ばすのか、という基本の方向性で混乱した。意思決定にも時間がかかるようになった」と振り返る。
ソニー・エリクソンは、世界を代表する企業の合弁会社ですが、経営戦略があいまいであったようですね。
ソニーXperia Zでドコモ携帯契約数増加しており販売は好調ですが、ソニーはアップルのiPhoneよりも早くスマホを販売していたようですね。
(3)ソニー携帯電話市場の敗北とアップル
そうした中、07年に登場したアップルのアイフォーンが市場を塗り替えていく。ソニー・エリクソンはシンビアンOSを搭載したペンタッチ型の携帯電話端末を手掛けていた。にもかかわらず、何も手を打てないまま市場を一気に奪われていった。
ソニーは携帯電話市場で、スマホを手がけていたようですが、アップルに市場を一気に奪われており、同種の製品をソニーが販売していれば大成長していたということですね。
(4)ソニーの独自性と製品開発
「悔しいことだが、もうすでにアップル、サムスンのような巨人がいる。そこから学び取ったうえで、人々がソニーに求めている価値観を考え、独自性を加えていく。こうした考え方でやっているので、いまは明快になったと思う」
ソニーはスマホ市場で出遅れることで、巨額の利益を失いましたが、市場の後追いであるため社内資源を活用することで戦略が明確化しているようですね。
エクスペリアZ ヒットの理由とソニー販売目標(6)に続く。
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