(1)ソニーの金融事業と赤字の理由
ソニーはエレクトロニクス事業が赤字で、金融事業が業績を補ってきました。ソニーが業績を拡大するためには、エレクトロニクス事業の復活が不可欠ですが、エクスペリアZ ヒットの理由とソニー販売目標(6)を見ると、ソニーはスマホ販売を主力事業として見込んでいることが分かります。(2)高級デジカメが好調
ほかにもソニーらしい商品はある。高級コンパクトデジカメのDSC-RX1とRX100だ。高級一眼レフでしか使わない35ミリフルサイズCMOSセンサーを搭載したRX1は約25万円という価格にもかかわらず、ハイアマチュアが食い付いた。1インチのCMOSセンサーを搭載し、昨年6月に6万円前後で発売したRX100は今でも5万円弱で売られており、値崩れがほとんどない。ソニーの高級デジカメが好調であり、デジタル家電製品で値崩れがしていないということは、根強い人気があるこが分かります。
ソニー、パナソニック、シャープ赤字の原因は、デジタル家電の急激な価格低下と採算悪化による減損損失の計上でした。ソニー製品の高級デジカメが値崩れしていないということは、販売が好調であることの現われですね。
(3)ソニーブランドや製品にプレミア
こうした効果もあり、昨年度、ソニーが国内で販売したコンパクトデジカメは業界平均販売価格よりも2000円程度高かった。業界平均の販売価格が下がる中、ソニーは逆に平均単価を上昇させた。ソニーのデジカメが好調ということは、ソニーブランドや製品は他社製品と比較して、プレミアがついていることが分かります。ただし、ソニーが高級品の販売で売れ行きが好調でも、カメラ好きに販売先が限定されると、売り上げの拡大効果は限定的になりますね。
(4)成長市場の高シェアが不可欠
とはいえ、コンパクトデジカメはスマホに食われ、販売減少が続く見通しで、屋台骨を支えることはできない。かつてのドル箱事業だった家庭用据え置きゲーム機、携帯ゲーム機も急激に縮小していく可能性が高い。やはり何といっても、成長市場であるスマホ、タブレットで高いシェアを獲得することがソニー復活への道なのだ。デジカメは、スマホのように汎用性がありませんので、販売が減少しており、ソニーがスマホ販売台数を増加することができるかが業績で重要になるようですね。ソニー エクスペリア好調の理由(5)を見ると、組織再編で社内資源の有効活用と意思決定が明確になったようですね。
(5)新規事業とオリンパスとの提携
新事業の種まきも始めた。有望事業として位置づけているのが医療機器事業だ。出資したオリンパスとも連携しつつ、ソニーが持つCMOSセンサー、画像処理技術、表示技術など医療に生かしていこうという構想だ。ソニー資産売却と買収一覧と会計戦略(4)を見ると、平井社長がリストラで事業の入れ替えを進めていることが分かります。
(6)ソニーとオリンパスの技術協力
ソニーには業務用放送機器という優良なB2B事業がある。医療機器についてもB2Bの柱に育てるのが平井社長の狙い。昨年10月にオリンパス社長と共同で行った記者会見では、「医療を一刻も早く新しい柱に育てたい」と強調。ソニーの未来を狙うフロンティアには、デジタルイメージング事業の精鋭が集められている。法人向け事業(B2B)は、一般消費者向けよりも値崩れが起こりにくく、利益が安定しています。ソニーが法人向け事業を強化することに成功すれば、業績の安定感が増しそうですね。ソニー経営者のリスク(8)に続く。
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