ソニーセル開発の真相
ソニー セル開発の真相(7)を見ると、PS3で使われた半導体のセルは、インテルをライバルと想定して製造されていることが分かります。ソニーの平井社長は、PS3が顧客に何を提供できるのかではなく、性能を前面に押し出す事に危機感を抱いていたことを2012年10月4日の日経新聞は報じています。
セルへの投資金額は3000億円規模
久多良木は2003年、ソニー本体の副社長になり、諫早工場などセルの生産拠点には設備投資で約2千億円、開発費を含めれば3千億円を下らない巨費が注がれた。ソニーの久多良木氏はプレステの成功により、ソニーの副社長に昇進しています。ソニーは久多良木氏の推進するセルに、設備投資と開発費で数千億円がかかっているようですね。
PS4価格は4万円超になる可能性が報じられていますが、製造に使用されるCPUはPS3のセルのように、ソニー独自開発のものではなさそうですね。
セルの性能はソニーの切り札になる予定
セルの性能は、当時パソコンで使われていたCPUを上回り、テレビなどあらゆる機器に組み込まれるソニーの「切り札」になるはずだった。ソニーがセルに巨費を投じた理由は、PS3以外にも使う事を想定していたからのようですね。PS3のみにセルが使われた結果、ソニーのゲーム事業は採算が悪化します。
セルによりゲーム事業が赤字に転落
しかし高性能故に消費電力が多く価格の高いセルは、ゲーム以外に使い道が見つからず、ゲーム事業そのものも投資負担に耐えかねて赤字に転落した。ソニーのセルは高性能なものの、消費電力が多く価格が高いため使い勝手が悪かったようですね。
- セルの想定 PS3だけでなくテレビなどあらゆる機器に組み込まれる
- セルの実際 PS3のみの使用で、セルの投資費用を原価に計上することで赤字に
セルは生産がゲーム事業に限定されたことでコストが割高になり、開発コストを上乗せした価格でゲーム事業が背負う事になったので赤字になったのでしょう。
ソニー平井社長の気づき
「結局のところ、プレステ3ってのは何なんですか」。06年、SCE社長として米国から日本に戻った平井一夫(51)は社員や取引先にこう聞かれ、「まずい」と思った。
久多良木たちが作り上げたモンスターマシンは確かに最先端だったが、顧客を置き去りにしていた。ソニーの平井社長は、取引先からの指摘にまずいと思ったようです。ソニーのPS3は遊び方や使用用途が多様過ぎて、顧客との距離が離れてしまったのかもしれないですね。
久多良木氏の野望と平井社長就任
久多良木にはもう一つの野望があったとされる。ソニーの社長になることだ。指南役の丸山は言う。「あいつなら(アップル創業者の)ジョブズに張り合えると思ったんだけどなあ」。
社長になったのは、そんな野望のかけらもなく「米国でプレステを売ることばかり考えていた」平井だった。
ソニーのプレステ事業生みの親である、久多良木氏はジョブズと張り合うことを期待されるほどの天才であったようです。
ソニー平井社長テレビリストラ(6)やプレステを売ることばかり考えていたという人物像からは、天才肌とは少し違う、ぶれない社長であることが見えてくるのではないでしょうか。ソニー出井改革の失敗(9)に続く。
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